〜使ってはいけない日本語〜

微妙に礼を欠く日本語
敬意を払ったつもりが実は失礼にあたる日本語
勘違いして使って笑われてしまう日本語
今すぐ直さないと社会人失格になる日本語
手紙・ハガキに使うと常識を疑われる日本語

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・日本語の中でも敬語の使い方は特に難しいです。
 日ごろ正しいと思って使っている敬語や、平気で口にしていた表現の中には、間違った言い方が数多くあります。
例えば…
目上の人に向かって

「どういうご用件でしょうか?」

と聞かれたとする。
何となく、不審に思われている気がしませんか?
こういう場合は、

「よろしければ、ご用件を承ります」

と対応すれば、柔らかな日本語で相手にも良い印象を与えられるでしょう。



微妙に礼を欠く日本語
あまり良くない使い方 良い使い方
どなたをお呼びしましょうか 誰をお呼びしましょうか
ご覧いただけましたでしょうか ご覧くださいましたでしょうか
けっこうですか※1 よろしいですか
ご持参ください※2 お持ちください
どうも申し訳ございません まことに申し訳ございません
厚くお詫び申し上げます※3 深くお詫び申し上げます
お見えになられました※4 お見えになりました
※1:電話セールスで「けっこうです」と答えて、商品が送られてきた例もあるとのこと。正確には敬語ではなく、どこか謙譲語に似たニュアンスがあります。
※2:「ご」をつければ丁寧な表現になるなんて大間違い!「持参」という文字を良く見てください。「参る」という字が使われていますよね、これには元から謙譲の意味が含まれているんです。
※3:「厚く」は主によいことに対して使う言葉。
※4:くどすぎる敬語は考えもの。
なかにはこんなものも…
有名作家の書いた作品(ここで例に取り上げたのは司馬遼太郎)に対し、知り合いでもないのに敬語を使う人がいます。
「○○さんがお書きになった小説」といった具合。
いくら尊敬していようと、直接繋がりのない人に敬語を使うのはおかしいのです。
「司馬遼太郎さんがお書きになった作品」ではなく、「司馬遼太郎の作品」で十分なのです。




敬意を払ったつもりが実は失礼にあたる日本語
どうかいたしましたか どうかなさいましたか
ご都合はどうですか ご都合はいかがでしょうか
なんとかなりませんか ご配慮願えませんでしょうか
アポはお取りですか 恐れ入りますが、お約束をいただいておりましたでしょうか
ご注文は何にいたしますか ご注文は何になさいますか
コーヒーでいいです コーヒーがいいです/コーヒーをいただけますか
お教えします ご説明します/ご案内します/ご報告申し上げます
あの人※1 あちらの方
※1:相手がお客様だった場合などには大失態!
他にもこんなものが…
・馬子にも衣装
「馬子にも衣装」って褒め言葉と勘違いしていませんか?
実はこれ、相手を皮肉ったり、からかったりする言葉なんです。
正確には”身分の低いものであっても、衣装しだいでは立派に見える”という意味。




勘違いして使って笑われてしまう日本語
あたりさわらずの意見 あたらずさわらずの意見
危ないですから※1 危のうございます
被害をこうむる※2 被害を受ける
愛想を振りまく※3 愛想がいい/愛嬌を振りまく
熱にうなされる 熱に浮かされる
知ってか知らずか※4 知ってか知らでか
下手をすると優勝の勢い うまくすると優勝するかも
彼女ほどの秀才※5 彼女ほどの才媛
願わくば※6 願わくは
※1:現代では違和感なく使われているこの言葉。年配の方には少々おかしな表現と思われがちです。
以前は「形容詞+の+です」で「危ないです」、それを転じた「危ないんです」が正しいとされていました。
まぁ、今では一般的に使っていますけれど、あらたまった席などできちんと使えば女性はおしとやかに、男性は落ち着いたように見えるかもしれません。
※2:この使いかた、「何がいけないんだ!?」と思った人もいるのでは?
ではこの表現を漢字に直してみましょう。
「被害をこうむる」→「被害を被る」
「被害」という日本語は既に「害を被る」という意味があるのです。その上でまた被ったら、ちょっとくどい日本語になってしまうだけ。
※3:笑顔で対応する人は「愛想がいい」と言われるものですが、その人は決して「愛想を振りまいている」わけではありません。
「愛想を振りまく」という言葉はなく、「振りまく」のは「愛嬌」です。
※4:完全な誤りではありませんが、もとは「知ってするのか、知らないでするのか」であり、略せば「知ってかしらでか」になります。
「知ってか知らずか」でも意味は通る。
※5:「秀才」という言葉の誕生は奈良時代のことで、奈良時代の最高学府ともいえる大学寮の主要科目の一つである文章道の主席と次席を「秀才」と呼んだのです。同時大学寮に入れるのは男性だけだったので、そこから意味が広がり、頭のいい男性のことを秀才というようになりました。
そのため、女性はどんなに頭が良くても「才媛」であって「秀才」ではないのだとか。
他にもこんなものが…
・弱冠三〇歳
「弱冠三〇歳」というと間違った表現になります。「弱冠」という言葉は、本来ある一定の年齢以外には使えません。
中国の古典『礼記』には、「二十を弱と曰ひて冠す」とあります。
そこから「弱冠」は男の数え年二十歳を指すようになり、三〇歳でも十五歳でも「弱冠」とは表現できないのです。
また、女性は冠をかぶらないため、女性に対しても使えないそうです。ちょっと差別?




いますぐ直さないと社会人失格になる日本語
なにげに 「なにげに」というのは奇妙な”形容詞”だということ、知っていますか?
これは「なにげなく」の短縮形として「なにげに」と使っているようです。
なにげにというのは、「何の気なしに」という意味。
じゃないですか 単に「クリスマスは彼女と過ごしたいと思っています」というところを、「クリスマスは彼女と過ごしたいじゃないですか」と聞き手に同意を求めるような話し方をする人が増えている。そういわれると聞き手は「いや、あんたのことはわからないよ」と思ってしまうもの。大人相手には「〜じゃないですか」というより、「〜したいと思います」とはっきり言ったほうが案外わかってくれる…はず。
超〜 この「超〜」という言葉は、いまやいい大人にも使われ始めている。テレビはもちろん、広告でも頻繁に登場し、すでに認められた日本語として錯覚させられる。しかし、この表現は完全な市民権を得たわけではなく、就職活動や入試の面接で「超明るいところがとりえです」と答えようものなら大きな罰点がつくことだろう。大人の社会では市民権を得ていないことを肝に銘じておいたほうがいいでしょう。
スゴイ 現在「スゴイ」を連発する若者が増えている。大してすごくもない、果ては何がすごいのかわからないものにまで使い始める始末。「スッゴイ」や「スゴ〜イ」ナド、アクセントを変え、微妙なレベルの違いを表現されています。
しかし、もともとの「凄い」は高いレベルを表す言葉。あまり多用するのは考えものかもしれません。
見れる、食べれる これは日常で無意識のうちに使っている人も多いのでは?
これは正確には「見られる」、「食べられる」と表現するのが正解で、「ら抜き言葉」と呼ばれるものです。
ごめんなさい 友達相手などにはこれで通用するが、目上の人に対してはどうでしょう。
社会人なら、「申し訳ありません」、「申し訳ございません」という言葉を頭の中に入れておいたほうがいいかも。




手紙・ハガキに使うと常識を疑われる日本語
拝啓…草々 手紙は最初と最後の書き方が結構難しい。
たとえば、手紙を「拝啓」ではじめたとき。その後時候の挨拶を書き、本題に移っていく。終わりのほうで相手へのいたわりの言葉を書き添え、文章を締めくくる。しかし、ここで「草々」と書いては全てが台無し!正しくは「敬具」と締めなければならないのです。
前略 「前略」ではじめたときは「草々」で終わること。
〜殿 企業や役所から届けられる封書などには、敬称に「殿」が使われることがあります。
しかし、個人同士の手紙で「殿」を使うと失礼なことになります。
「殿」は目上の者が目下の者に手紙を出すときに使われる敬称で、とくに、目上の人に出す手紙には、「殿」を使うと大変失礼なことになります。
僕は 男子の自称に「僕」という言葉があるが、この「僕」は手紙やハガキには使えないので注意が必要です。「僕」は「しもべ」と読むように、「人に使われる男」「下男」という意味があります。それがへりくだった意味の自称として使われるようになったのです。
「!」と「?」 eメールには、絵文字とともに、いろいろなマークが登場します。「!」や「?」といった符号も濫発されていて、ついつい使ってしまいがちですが、こうした符号は手紙やハガキには使わないほうが良いそうです。友達同士の交換なら問題はなさそうですが、目上の人や改まった文章を書くときには極力使わないようにしたほうがいいでしょう。

いかがでしたか?
普段使っている日本語について、少しはわかっていただけたでしょうか。
ここで紹介したのは一部分で、まだまだたくさんの「使ってはいけない日本語」がありました。
これを紹介した私もかなり間違った使い方をしていたので、これからは参考にして少しでも直したいと思います。

(河出書房新社:「使ってはいけない日本語」を参考にしました)